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"常に未完成の家" DIY的家作り LOG note

初めての自作スピーカー作り方講座 基礎編U

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スピーカーの構造〜フルレンジとマルチウェイ

さて、それではまずはひとつ、作ってみましょう。
初めなので、シンプルにフルレンジの1発が良いでしょう。

−−フルレンジ1発って何? そんな声が聞こえてくるようです。
では少しだけお勉強しましょうか。

フルレンジとマルチウェイ(2Way/3Way…etc)

スピーカーは高音から低音までワイドレンジに再生できるべきですが、高音再生には振動板の小さなユニットが有利で、逆に低音再生には振動板が大きなユニットが有利なので、全ての音をひとつのユニットで再生しようとするフルレンジユニットには自ずと限界があります。

そこで、高音は振動板の小さな高域専用ユニットを使い、低音は振動板が大きい低域専用ユニットを使うよう、音を分割して専門的に再生させる、という方式が生まれました。
2分割再生方式を2Way、3分割を3Wayなどと呼び、また、高音専門ユニットをツイーター、低音専門ユニットをウーファーと呼びます。(3Wayの中域専用ユニットはスコーカー)
これにより各帯域を最適なユニットで再生することができますが、課題も出てきました。

それは、元々の音声信号を分割して各帯域のユニットに送らなければならなくなったことです。分割にはコイルやコンデンサを使ったディバイディングネットワーク(通称ネットワーク)を使うのが一般的ですが、やはり余計なものが入ると音のピュアさが失われがちです。

また、ネットワークの他にも、音源が増えるという構造的な問題もあります。
人間の耳はふたつあり、視覚ほどではありませんが、左右の耳で捉えた内容を立体的に認識することが可能です。ピュアオーディオに欠かせないステレオ再生というのは、これを利用したものです。そしてその左右のステレオスピーカーから音を出す場合、各々1点の音源から音が出てきていた方が、より立体的に定位が定まり、音像をくっきりと描くことが出来ます。
ですが、2Wayや3Wayなどのマルチウェイの場合は、それぞれの帯域が別々のユニットから出てきますので、定位が定まりにくく、音像もぼやけがちになるという課題があるのです。

それでも今の市販スピーカーは2Wayや3Wayが主流で、課題を見事に回避し、素晴らしい音を奏でるスピーカーも多く存在します。
極高域から極低域までワイドに再生できるのはやはり大きな魅力です。
しかし、フルレンジユニット単発に魅力がないかと言えば、そんなことは全くありません。
定位は抜群ですし、余計なネットワークを挟まずによりピュアで生の音を奏でてくれるため、未だにスピーカー自作派を中心に大きな支持があります。
この後、「初めての自作スピーカーの作り方講座」では、まずこのフルレンジ1発のスピーカー作りを取り上げますので、ぜひ皆さんもその音の素晴らしさを実感してみてください。


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