<配線とユニットの取り付け> | |
今回はフルレンジ1発のスピーカーなので、2Wayや3Wayのスピーカーのようにユニットごとに信号帯域を分割するディバイディングネットワークは必要ありません。 極端なことをいえば、ユニットからのラインをそのまま箱の外に出し、ダイレクトでアンプへ繋いでも良いのですが、後々のことを考えてやはりターミナルを付けることにしました。 内部配線は取り回しを優先して、あまり太すぎない素性の良いものであれば充分です。今回は手元にBeldenの8470の半端モノがあったのでそれを使うことにしました。 適当な長さに切って5mm程度剥き、ターミナルにハンダ付けします。 |
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ターミナルは色々なタイプのものが出ていますが、まずはあまりこだわらずに頑丈なものを選びましょう。 写真はFostexのT150B。 銅の接点を持つ、音質的にも優れた逸品です。 取り付けはそれぞれのチャンネル部分にφ20程度の穴をドリルで開けておくだけなので、取り付け的にも手間がありません。 また、ターミナルの取り付け位置に決まりはありません。 アンプまでのスピーカーケーブルを取り付けることを考え、背面の適当な位置を選びましょう。 |
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ターミナルの取り付けをしたら、内部配線の反対側をユニットに接続します。 ターミナルと同様ハンダ付けでも構いませんが、後々のユニットの取り外しや交換などを考えると、ファストン端子を使って取り外しが出来るようにしておいた方が何かと便利です。 配線を接続したら、内部に吸音材を入れます。まずは背板部分と底板部分あたりに入れて様子をみましょう。 吸音材を入れたら、いよいよスピーカーユニットを取り付けます。 鬼目ナットなどを使ってボルト止めでも良いですが、当面は木ネジでも充分です。木ネジも電動ドリルなどを使えば一発で打てないこともないですが、最後の仕上げですから慎重に下穴をあけ、手締めで確実に取り付けてあげましょう。 |
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<さあ、完成だ!> |
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さあ、出来ました。 なかなか端正で品の良い顔立ちです。 早速音を出してみたいところですが、その前にひとつ知っておいて貰いたいことがあります。 こうした出来立てのスピーカーは、初めから良い音が出てくることはありません。良い音どころか、がっくりするような嫌な音が出てくるのが普通です。 それでもエージングが進めば、どんどん音が良くなっていきます。 初めのうちはその進化を楽しむ気持ちで、1日、1週間、1ヶ月と聞き込んでいきましょう。 |
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さて、今回のスピーカーも、初めは少々暴れ気味で高音ばかりが耳につくひどい音でしたが、小一時間で落ち着いてきました。 その後数日でフルレンジ一発らしい定位の良さと、芯のあるしっかりとした低音が出るようになってきました。 バランスもすっかり良くなり、聴いていて疲れません。情報量も日増しに増えてきています。 さすがにFostex、このFF125WKはかなりの実力の持ち主です。 これから1ヶ月2ヶ月と鳴らしていけばもっともっと素晴らしいスピーカーに進化していくことでしょう。 |
自作スピーカー作り方講座 密閉型エンクロージャーの設計へ続く